2013年11月23日土曜日

及川くん幸せになったヤッター

こんにちは。
ぼけっとしてる間に10月が過ぎてたどころか、11月も終わりそうになってました。しかも気付かなかった。店がやたらとサンタクロース推ししてくるなと思ってハッと気付きました。個人的な仕事がなんにも終わってなくて泣いた…。

こないだ、友人(岩及の人)と明け方から朝にかけて及川会議を開き、及川くんが幸せになれる道を模索してきたんですけど、いやー及川くんすっごい幸せにならなかった。
「ねえ及川くんこうしたらいいんじゃない?」って提案が出るたび、「いや…及川くんはきっとこう動いてしまうよ…」「やばい…それ幸せになれない…」っていうのを繰り返しては、最後には「及川くん幸せにならない…」「辛い…本当に嫌だ…」って頭を抱えていました。なにやってるんでしょうね。本当にね。しかも最後の方、酒を飲み始めて二時間という早さで二日酔いが襲ってきて(本当に早い)めちゃくちゃ頭痛かった。
そんなニトロキラルかよってくらいBADENDが多すぎる及川くんの未来だったんですけど、朝の7時半までかかってようやく及川くんが幸せになれるかもしれない未来を岩及/影及それぞれで見つけることができたので書き留めておきます。


影及バージョン

とにかく今が地獄。
及川くんはすでに自分のバレー選手としての限界、選手としての自分の死期が見えていると思うんですね。もちろん岩ちゃんに殴られたあの時からずっと成長してはいる。でもこの先にあるのは決して越えられない壁であることを及川くんは知っていますし、後ろからは影山がひたひたと迫ってくる足音がどんどん大きくなってくるのも分かっています。
越えられない壁と、迫ってくる天才の間で立ち止まっている今の状態が、及川くんにとって、きっと一番苦しい。だから及川くんが今の状態でトビオにぶつける感情は、愛情と同じくらいの憎しみ、羨望、嫉妬、悲しみ、悔しさ、みたいないろんなものがない交ぜであるものなんだと思います。それをぶつけられるトビオも、たぶん今が一番苦しいと思う。

その呪い、いろいろなものにとらわれた感情から抜けることができるのはいつなんだろうって考えると、それはもう及川くんがトビオに負けた時でしかあり得ないよねって結論に達しました。
トビオに負けるその時を及川くんはずっと待っている。秀才としてあがめられた自分のことを、天才であるトビオが力づくで押しのけて、越えていって、自分が越えられなかった壁を軽々と越えて、その高みから自分を王様の眼差しで見下ろすのをずっと待っているんだと思います。(ここまで考えた友人が「辛すぎてゲロ吐きそう」って言っていました)
で、トビオに負けた及川くんはようやく、ある意味バレーから少し離れた立場からトビオを見られるようになって、トビオに対して正直な気持ちで接することが出来るようになる。私は影及は同じ大学のバレー部に所属すると思ってるんですが、そこでチームメイトになれたときに、初めて及川くんは少し丸くなれるのかもしれない。

〜唐突に数年後〜

「じゃあいってきます」
頑張れよ、そんな目をした部長にしっかりと頷き返して、俺は得意先に向かった。
会社の今後を左右するような大事な商談を任せてもらえた喜びと、少しの緊張にしゃきっと背筋が伸びる。大学を卒業して就職した、スポーツ用品を扱う商社。そこで営業を初めて、もう三回目の冬が来ようとしていた。
混雑する交差点、信号待ちの営業車の中でふと横を見ると、家電量販店がテレビの大売り出しをしていた。
うちもそろそろテレビ買い替えようかな。そんなことを思っていると、CMが開ける。
ぱっと映し出されたのはバレーの試合だった。
はっと息をのむ。
トビオだった。
全日本のユニフォームに身を包み、相手のコートを睨みつけている。相手のサーブが打ち込まれる。ギリギリのところでボールは上がり、トビオはそのボールを完璧な高さで上に打ち上げた。
相手コートに叩き込まれるボール。大歓声につつまれるコート。トビオはチームメイトと嬉しそうに肩を組んでいた。

「…それくらい決めて当たり前でショ〜。及川さんの朝ご飯食べておきながら負けるなんて許さないからね」

そう独り言を言いながら、俺はアクセルを踏み込んだ。
今日はもっと豪華な夕飯を作ってあげよう。


〜唐突に終了〜


バレーから離れた及川くんが普通の会社で営業とかをしていて、トビオは全日本の代表をしているんだけど、もう及川くんにかつてのじりじり焦げ付くような感情はなくて。そうなってはじめて純粋な愛情だけをトビオに向けられるんじゃないかなあと思います。
よかった!及川くん幸せになった!!

友人「でもこのハッピーエンドはやっぱりちょっと悲劇だよね。影山は及川くんからもしかしたら一番もらいたかったかもしれない『バレーの先輩としての及川くんの愛情』は一生もらうことが出来ないんだもん」

影山がちょっと幸せにならなかった!!



岩及について書く力がなくなったので今度書きます。

2013年10月21日月曜日

今週ハイキュー(※ネタバレしかない)

なんだかすごいことになってるって聞いたので、風呂上がりで髪も乾かさずむろんスッピン眼鏡で近くのコンビニまで買いにいってきました。
開いて、読んで、例のページを見て、最初にoh...という声が出て、それから二度読みして、三度読みして、読み終えた瞬間、キャパをオーバーした萌えによって泣きました。
いまもシクシクしながらこれを書いています。
どアップの及川さんを見ながら、その髪の毛の流れとかすっと通った鼻梁とかまんまるな目とか薄い色をした瞳とかちょっと大きめできゅっと尖っている耳とか意外に太い首とかすべすべした肌とかを舐めるように眺めながら、私の心に浮かんだのは「及川くんは尊い」という友人の名言でした
造型が美しいから尊いとかじゃあないんです。確かに彼の一つ一つのパーツは美しいんだけれども、そこに魂が吹き込まれて及川徹という存在になって、意思を持って動いているその奇跡が尊い。つまり「尊い」という言葉に肉をつけて命を吹き込んだら「及川徹」になったんではないでしょうか。私はそう思います。
ここまで一気に書いてから、有名な画像を思い出しました。






ジャンプ感想というか一コマ一コマの感想。ほぼ一コマ目の及川さんについて。

【一コマ目】
髪の毛の流れとかすっと通った鼻梁とかまんまるな目とか薄い色をした瞳とかちょっと大きめできゅっと尖っている耳とか意外に太い首とかすべすべした肌とかには言及したんですけど、まだ言ってもいいですか?
とにかくこの眼差し。唐突に現れたトビオに対するこの眼差し。あっこんな顔しちゃうんだ。及川さん、全く他意とか悪意とかがないとき、無意識で視線を遣るとき、こんなに真っ直ぐに人を見つめちゃうんだ。と思いました。及川さんの眼差しとか目元って潔癖で清潔な感じがして好きなんですが、その薄い色をした澄んだ水を思わせるような瞳をこんなにまあるくして無防備に誰かのことを見るときの顔なんだ。と思ったとき、まるで見てはいけない瞬間を盗み見てしまったような気分になりました。不意打ちされた無防備な顔を晒すって、心の中を見せることとか裸になることに等しいと思うんですが、こんな顔をアップで載せても大丈夫なんでしょうか…ほんとに…。
その見てはいけないような気分に拍車をかけるのが唇です。あのね、うっすらと開いているんです。私は「及川徹」という語と「うっすら開いた唇」という二つの語で文を作れと言われたら、迷わず「徹はうっすらと開いた唇からチラチラと赤い舌を覗かせていて、それがひどく私の劣情を誘った」みたいな官能小説を書きますけど、そのうっすら開いた唇は、そういう唇だってことを分からないで無防備にこんな表情をしてる及川徹恐ろしい。
その視線の潔癖さと無防備に開かれた唇の淫靡さみたいなものが同時に存在している及川徹すごい。尊い。

【二コマ目・三コマ目】
トビオちゃんの「ア"ッ?」と及川さんの「ゲッ!!!」の違いにすごく萌えます。「あっ知ってる人いる」程度のトビオちゃんと、対照的にまじで苦手な奴に出会ってしまったかのごとき及川さんのリアクション。びっくりマーク三つですよ!!!どんだけびびってんだ!その場で固まってるトビオちゃんに対して及川さんが引き気味なのすごいいい。すごいもえる。効果線まで背負ってるし。白目剥いてるし。どんだけトビオが天敵なのか。蛇に睨まれたカエルのような及川さん…ぎゃんかわ…。

【四コマ目】
二コマ目と三コマ目からの流れでのびっくりして腕を突っ張らせる及川さん!!かわいい!!!ぎゃわいい!!!!トビオが完全に状況の飲み込んで「及川さん」って普通に言ってるのにまだびっくりマーク三つも付けてる及川さん!!!
しかも「トビオ」でも「トビオちゃん」でもなく漢字の「飛雄」なんですね。及川さんが「トビオ」って呼ぶ時ってなんとなく悪意が入っているというか、既に何らかの意図を持ってトビオのことを呼んでいるイメージだったんですが、繕ってない及川さんが普通に影山を呼ぶと「飛雄」なんだっていう事実に単純にもえた。すごくもえた。

・ていうかちびっこバレーボール教室でプロとして子供にバレーボール教えてる及川さんってどういうこと?って問いつめたくなるくらいもえますね。よくできたね〜とか言って頭撫でたりするの?子供にはいい顔するの?

・素直にちびっこバレーボール教室に脚を運んじゃうトビオちゃんも同じく問いつめたいことがあるのであとで職員室まできなさい

・あと影山家!初ですよね?
玄関がやたらと広いのと、これまた鏡がでっかいのと、ちゃんとお花の入ってる花瓶があるのを見て、飛雄は結構おぼっちゃんなのでは??と思い始めました。
なんか飛雄の抜けてる感じとか屈託のないところとか、言われてみればおぼっちゃんっぽいな〜と思います。どうなのかしら。


ていうか及川さんが出てきたことそれ自体ですごい浮かれてこんなことを長々と書いてから気がついたんですが、この展開ってつまりトビオちゃんが毎週及川さんにバレー習うっていうことですよね…?及川さん出てきただけじゃなくて?毎週トビオちゃんと絡むの?って気付いて普通に心臓持たないなと思いました。養命酒を飲まなくては。

2013年10月17日木曜日

DKトオル

うっかり方言の話してたけど、もともとは売春するDK及川さんの話を書きにきたんでした!そのまま忘れてた方が良かったかもしれない!
これもツイッターでちまちま呟いてたんだけど、死ぬほど長くなったし書きたいことは全部書ききれないしで反省しました。今度から長すぎる妄想のは全部こっちに書くことにしよう・・・。

そう、それで売春する爛れたDKの及川さんのことなんですけど。
及川さんは大学生OBと体の関係だけで付き合ってるんですが、その人が薬使ったりするようなちょっとヤバい感じの人なんです。
あるときそのOBから「トオル、いいバイトあるけど興味ある?」って言われて、売春始める及川さん。
バックに大きな組織がついてるので取り分とか使うホテルとかがきちっと決まってます。何よりの特徴は、そこの組織のもとで買春する男の子は、みんな赤いリボンを手首に結んで繁華街に立つということ。
それが買春する子の印で、常連はみんなそれを知っているから、そのリボンを目印にして声をかけてくるんです。
買う側はそのリボンをつけてる子に声をかけたとき、その子がこの客は嫌だと思うなら無視。繁華街だから、断られても客も手は出せない。で、この客でいいと思ったら、交渉が成立した証として男の子がリボンをほどいて渡すんです。
その組織に入ってから、毎週決まった曜日に繁華街の決まったところに立ってる及川さん。
及川さんは顔もきれいだし、筋肉ついてるしで結構人気なのに、まったく客を選ばないので、声をかけられたおっさんについてくだけ。
ハゲてテカったおっさんに「・・・どうかな・・・?」って声をかけられて、無表情で紐を渡す及川さん。
そうして組織が抱き込んでるラブホテルに無表情で向かって、無表情で抱かれる、2時間5万円の及川さん。取り分は2万5千円。
別にお金が欲しいわけじゃないけど、男に抱かれつづけてきたし、暴力ふるわれたりもっとひどいこともされたし、別にもう失うものはないし、って半分はどうでもいいやって気持ちになってるんです。だから稼いだお金を見るのが嫌で、お金が入るとブランドものとかひょっと買って女の子に渡しちゃったりする。

そんなある日、いつものように赤いリボンを結んで街角に立って携帯いじってると、「及川さん」って声かけられる。
うわー知り合いかよ。と思いながら顔を上げると、飛雄がそこに立ってるんです。
烏野のジャージを着て、ちす!って律儀に頭を下げる飛雄。
「及川さん何してるんですか?」
「・・・別になんでもない。トビオは?」
「俺は部活終わって帰るとこです」
「あっそ」
早く行ってほしいと思いながらまた携帯に目を落とす及川さん。
でもその思いと裏腹に、飛雄は及川さんの手首に結ばれた赤いリボンを凝視するんです・・・。
「これなんですか?」

その時及川さんに悪魔が囁くんです。
ああ、そうだ。
こいつを、奪ってやろう。
及川さんはにっこり微笑んで、飛雄にリボンの結ばれた手首を差し出します。
「はい」
意味が分からずぽかんとする飛雄。
「ほら」
「・・・え?」
「トビオはこれをほどいてくれるの?」
意味の分からない問いかけに、トビオは及川さんを見て、そうしてひらひらとはためくリボンを見て、戸惑いながらおもむろに手を伸ばします。
「ほどくんですか?」
怪訝な顔をした飛雄が戸惑いながら赤いリボンをスルスル解いた瞬間、及川さんは飛雄の手をガッと掴んで歩き出します。
「はいっ決まりー。交渉成立ね」
ズンズンと歩き出す及川さんに引っ張られる飛雄。
「えっ?!何がですか?!」っていう飛雄に答えることもなく、及川さんは毎回使ってるラブホテルに飛雄を半ば無理やり連れて来るんです。
フロントで鍵を受け取ろうとすると、受付のおばちゃんが、何ですか!何ですか!って叫ぶ飛雄と及川さんをじろりと交互に睨みます。

「ずいぶん若い客だけど?払えるんだろうね」
「ほっといてよ」

おばちゃんから鍵をひったくって、トビオの手を引いて部屋に引きずり込む及川さん。
ドアをばたんと閉めると、混乱したトビオをよそに即行ベッドに腰かけて、ブレザーを脱ぎ捨てます。

「二時間しかないから。シャワー浴びてきて。俺が先に浴びてもいいけど」
ネクタイを緩めながらそう言い放つ及川さんに、トビオは食って掛かります。
「ちょ、ちょっと待ってください!何ですかこれ!」
「何って?」
「なんでこんなとこ連れてくるんですか!」
「うるさいな〜大声出さないでよ。ここちょっと壁薄いんだから」
「及川さん何してるんですか?!あのばあさん、客って言ってましたよね?どういうことなんですか!」
「・・・俺の口から説明させるんだ」
分かってるくせに。そう言って、及川さんは蛇のように笑って、隙をついてトビオを組み伏せます。

「いくらおばかなトビオちゃんだって分かるでしょ?俺は体売ってんの。おっさんたちに。それだけ」

シャワーも浴びさせないまま、及川さんは飛雄の制服のスラックスを無理矢理おろします。トビオは抵抗するけれど、同じだけの力があるなら上に乗っている方が有利なんです。
及川さんに押さえ込まれるトビオ。
「やめてください・・・っ!及川さん!及川さん!!」
抵抗する飛雄の喉元を思い切り押さえつける及川さん。
「・・・っ!」
「いまさらガタガタ抜かさないでね?飛雄がリボンほどいたんだから」
「はあ?なに、言って・・・っ!」
「ああ、言ってなかったっけ?あのリボンをほどいたら売春の交渉成立なの」
首を閉められて、息苦しさに顔を歪める飛雄に顔を近づけて、及川さんは微笑みます。
「俺はね、知ってるんだよ飛雄」
「なっ・・・んですか、それ・・・!」
「とぼけないでよ〜。及川さんの目は誤魔化せないよ?」
「・・・!」
「俺の技を見てるフリして、先輩を憧れの目で見るフリして、飛雄は何を考えてた?」


「飛雄、俺は知ってるよ」
「お前はずっと」
「俺を犯したいと思ってたんだよね」


瞬間、トビオの顔に緊張が走って、かあっと頬が赤くなります。
クスクスと笑って首を絞める手を離す及川さんと、体をよじって咳き込む飛雄。
「あはっ、図星じゃん。違うなら違うって言ってみなよ」
「違・・・違う・・・!」
嘘ばっか、って鼻で笑う及川さん。
「だったらさあ、お前のココはなんで勃ってんの?」
そう言って、及川さんは飛雄のそれを膝でぐいぐいと押します。痛みと苦しさで及川さんの腕の中から逃げようとするトビオの手首を掴んで、及川さんはニコニコ笑います。
「どこいくの?逃げたりさせないよ」
そうやって笑う及川さんに、痛みで顔を歪めながら、トビオは叫ぶように言うんです。
「もう、やめてください・・・!!」
笑顔を引っ込めて、でもその叫びを看過して、及川さんはトビオの額に口づけます。

「・・・トビオ、初めてでしょ?優しくしてあげるね、多分」

そう言いながら、及川さんは飛雄を乱暴に愛撫していくんです・・・。


〜〜暗転〜〜


全てが終わって毛布の中で微動だにしないトビオ。その横で、さっさと着替え始める及川さん。
「気持ち良かったよ〜飛雄ちゃん。ハジメテにしては上出来じゃん」
「・・・及川さん」
くぐもった声をかけられてそちらを向くと、飛雄は体を起こしてこっちを見ています。射るように鋭いまなざしで。真っ直ぐに及川さんの目を見つめて。

「なんで俺とこんなことしたんですか」

「理由があるとでも思ってるの?」
ハッとした表情をするトビオに、及川さんはにこりと笑います。
「あのさ、ただのバイトだからね?客を取って、セックスして、金をもらうバイトなの。その客が今日はお前だっただけの話なの」
「客って・・・!」
「ありがとうございまーす、ホテル代と合わせて5万円になりまーす」
「はっ・・・?!そんなに持ってるわけないじゃないですか!!」
「だってトビオちゃんは客でしょ」
払ってくれなかったら、俺上の人に怒られちゃうよ、という及川さん。それを見て、トビオは唇を噛み締めます。
「でも良かったでしょ?俺とセックスできてさ。トビオちゃん、いつもすごい目で俺のこと見てたから。いつかさせてあげてもいいと思ってたんだよね」
ペラペラと話す及川さん。
「・・・俺は」
「?」
「そんなつもりで見てたんじゃ、なかったんです。俺は、ただ、及川さんが、」
「うわー、今更。嘘くさ」
「・・・」
唇を噛んで俯いた飛雄を横目でみやって、ため息をついた及川さんはその隣に腰掛けます。
「キスしよう、トビオ」
「え?」
意味が分からず戸惑う飛雄に、嫌そうに舌打ちをする及川さん。
「5万払うかわりにキスでチャラにしてあげるって言ってるの」
「え、なんで」
「だから、5万払うの?キスすんの?」
「・・・キ・・・キスします・・・」
ほこりっぽい部屋のにおい。
ぐちゃぐちゃになった白いシーツ。
ベッドの枕元に放り出された精子が入ったままのコンドーム。
ラブホテルのベッドの上で、2人は唇を合わせるだけのキスをします。

唇を離した瞬間、及川さんはそのままトビオの顔を見ることもなく、何にも言わずに部屋を出て行きます。
飛雄の呼び止める声を無視して、ホテルの廊下を足早に歩いて、受け付けのおばちゃんに自分が前の売春で稼いだ5万円を無言で渡して、ホテルから逃げるように駆け出します。

たくさんの人に体を売ってきて、好きでもない男とセックスして、痛みも苦しみも何にも感じたこともなかったのに。
こんなに苦しいセックスは初めてでした。
こんなに悲しい気持ちになるキスは初めてでした。

〜fin〜

っていう影及のことを考えていました。
赤い紐手首につけてる男子高校生とか可愛いなあって思ってたはずなのに、なぜか妄想がどす黒い方向へ進んでいってこうなった。
及川さんは自暴自棄なようでいて、すごく救いを求めているタイプだと私は勝手に思っているので、いつも自分でほどいて渡してるリボンを、いつかほどいてくれる人が現れると思ってたりしてもいいなとおもいます。それがトビオちゃん・・・。
このあと及川さんが街角に立つたびにやってくるトビオちゃんがいてもいいなあ。及川さんを誰にも買わせず、2時間5万円で買い続けるトビオちゃん。
最初は無視してるんだけど、徐々に資金源が気になって訊く及川さん。
「トビオさあ、この5万円どうやって持ってきてんの?」
「及川さんと同じことして稼いでるんです」
ってしれっとした顔して言われてさあ・・・
「はあ?!やめなよ!」
「及川さんに言われたくないです」
「いやそうだけど・・・」
「及川さんがやめたらやめます」

実はちっちゃい頃からコツコツためてたお年玉(影山家は親戚が多いのでがっぽり正月にもらえる仕組み)を切り崩してるだけだと思うんですけど。

及川さんは方言を喋る

・・・って気がついたとき結構衝撃でした。めっちゃ可愛い。方言喋る及川さんすっごい可愛い。
東北出身の知り合いがあんまりいないので分からないのですが、宮城はどれくらい方言使うんでしょうね?どうなのかな?と思ってちょっと調べてみました。

宮城の方言

いっぱい!!
方言って年齢とか性別とかで使ったり使わなかったりするものがあると思うので、書いてあるだけで10代男子が使ってないのもあると思うんですが、これを及川さんが喋っていると思うとすんごい滾る。
特に萌えたものをピックアップ。

・「おばんです」
モーニング娘。に宮城出身の石田亜佑美ちゃん(愛称:だーいし)(このつんくのセンス・・・)という子がいて、彼女が毎回「おばんです」という言葉でブログを書き出すの、今まで気に留めてなかったけど、宮城弁の「こんばんは」でした。なんとなく京都弁かと思ってました。
及川さんも言うのかな?おばんですって?なんだそれ。かわいいよ。あざといよ。かわいいよ。

・「てぇげにしろ」
「大概にしなさい」のことらしいですが、いい。すっごくいい。
「しろ」っていう語尾を使う及川さんにはなじみがないので、川越シェフに倣ってちょい足しアレンジして「てぇげにしなさいよ〜」って後輩に言ったりする及川さんどうですか。めっちゃ可愛いな。

・「めんちゃこい」
めんこいの変化形かなあ。
「あの子めんちゃこ〜い」とかいう及川徹がいるんでしょうか。なにそれ。(お前の方がめんちゃこいわ・・・)って心の中で思う同級生のモブになりたい。

・「夜ぴかり」
ぴかりって!ぴかりって!!夜更かしのことだそうですが、深夜のコンビニでばったりトビオちゃんにあったら、「トビオちゃんったら夜ぴかり〜」って及川さんは言うの?それに対してトビオちゃんも「及川さんこそ夜ぴかりじゃないですか」とか言うの?かわいすぎるよーーーー!!!!!
それがすっごいかわいい言葉だって知らないで使ってる感じがたまらない・・・夜ぴかり・・・。